パリトキシンは魚の持つ猛毒です。アオブダイ、ソウシハギ、スナギンチャクなどがパリトキシンを持つ魚です。解毒方法もありません。恐怖のパリトキシンとはどんな毒なんでしょうか?魚好きの人必見です!
パリトキシンとは?
パリトキシンは魚の持つ毒素の一つです。アオブダイが有名でアオブダイ中毒の原因とされています。その毒素はフグのテトロドトキシンよりも強い猛毒です。
パリトキシンは生物の持つ天然毒の中で最も強力で、ヘビやサソリ、フグを上回る毒性があります。他の生物毒とはけた違いに強力で、生物界一と言っても過言ではありません。生物毒の頂点に君臨する恐怖の毒、それがパリトキシンなのです。
もともとはハワイなどに生息しているスナギンチャクが持っている毒ですが、それを食べるアオブダイの肝臓にパリトキシンが蓄積していき、そのアオブダイなどを食べると中毒症状が出ると考えられています。
ではパリトキシンを口に入れてしまうとどうなるのでしょうか。
発症までの時間は、3~36時間です。その後筋肉痛、尿の変色(茶褐色)、麻痺・痙攣などが見られます。重症の場合、呼吸困難、不整脈、ショックや腎障害などの症状が現れます。さらに症状が進むと、冠状動脈が極度に収縮し、死に至ります。
パリトキシンの解毒方法は?
残念ながら、現在パリトキシンの解毒方法はありません。もし口にしてしまった場合、毒の量が少量であることを祈るほかないのです。
厚生労働省もパリトキシンの危険性について警告していますが、『対策は「口にしない」こと』となっています。パリトキシンを持つ魚に注意し、食べないことが唯一の対策という訳です。ちなみに魚を触るのは大丈夫です。ではどんな魚がパリトキシンを持っているのでしょうか。
パリトキシンを持つ魚
パリトキシンを持つ魚として有名なのは、アオブダイ、ハコフグ、ブダイ、ウミスズメなどです。
またソウシハギもパリトキシンを持っています。
画像参考:厚生労働省HP
これらの魚を食べた結果、1953年から2012年にかけて、39件の中毒事故が報告されています。そのうち7人の方がいのちを落としています。
これらの魚を市場でみかけることもあります。地方の魚市場では時折見かけますし、実は筆者も口にしたことがあります。その後なんともなかったのを見ると、そのブダイは毒素を貯めていなかったのかもしれません。今となっては運が良かったと思うべきでしょう。
日本沿岸(特に四国九州などの南方)に生息しているため、釣ってきたり、もらったりすることがあるかもしれませんね。フグなどの毒魚に比べてアオブダイやソウシハギの危険性はそれほど認知されていないように思えます。
パリトキシンを持つ魚に注意し、正確な知識を知ることがいのちを守るといえそうです。