マルハナバチ、と聞いて「ああ、はいはいアレね。」と答えられる人は農家の方か専門家くらいかもしれません。
普通に暮らしているとなかなか聞いたことのないハチですが、意外とその姿は目にしているかもしれませんよ。
実は人気者で可愛らしい、知られざるマルハナバチについて調べてみました。
マルハナバチとは?
ハチと言ってもスズメバチのように危険なハチではありません。体が大きくブンブンと音を立てますが性格はとてもおとなしく、花を探して飛び回るその姿は「ブン♪ブン♪ブン♪」の歌のように可愛らしいのです。その姿は簡単に言うと「ずんぐりむっくり毛むくじゃら」。名前の通り丸っこい姿をしています。
どちらかというと北の方に生息し、ヨーロッパではポピュラーなハチです。そして実は日本にも生息しています。日本ではミツバチの方が一般的ですが、北海道など高緯度の地域ではマルハナバチの種類のハチが多くみられます。
マルハナバチがなぜ人気?
マルハナバチはヨーロッパではポピュラーなハチなので昔から多くの人に愛されてきました。
例えば、ディズニーの「くまのぷーさん」で蜂蜜を食べるときに周りで飛んでいるハチはマルハナバチだと言われています。
また、映画「トランスフォーマー」に出てくるキャラクターの中にバンブルビー(Bumblebee)がいますが、黄色いカラーリングや人間と仲良くするところが特徴的ですね。その由来はヨーロッパでマルハナバチが人々の身近にいたからだとも言われています。
さらにリムスキーコルサニコフの有名な楽曲に「クマンバチの飛行」があります。のだめカンタービレでも使われていた曲ですが、これも実際にはマルハナバチがモデルになっているそうです。
このようにマルハナバチは意外と私たちの身近にいてキャラクターにもなる人気者だったんです。
孤軍奮闘!!女王蜂は大変なのだ!!
「地球ドラマチック」でも放送されましたが、女王蜂の一生は大変です。
秋:生まれたばかりの女王蜂は幾らか成長しオスバチと交尾します。お腹にたっぷりと蜜を蓄え冬眠の準備へ
冬:雪の下で地面にもぐり冬眠します。長いと8カ月も冬眠する個体もいるらしくその間に命を落とす女王蜂も多いそうです。
春:まだわずかに花が咲き始めた時、雪解けと共に女王蜂は目ざめ必死に花の蜜を探します。無事食事にありつけたらすぐに1匹で巣になる場所を探します。野ネズミや小鳥の古い巣穴を使いますが、少なからず取り合いになることも。女王バチは大変ですね。
夏:働き蜂がふ化してくると女王蜂は産卵に専念するようになります。1つの巣には多いと1000匹のハチがいるそうです。天敵の熊や鳥に襲われることもあります。
秋:巣の中に新女王バチが現れると、先代の女王バチはお役御免となり命のバトンを次の代にあずけます。
この部分に関しては丹波真一さんの北海道の自然紹介「花とマルハナバチ」を参考にさせて頂きました。マルハナバチについてとても詳しく書かれていて勉強になります。
まさに孤軍奮闘!マルハナバチの女王バチは巣を守り、次の世代へ繋げるために体を張っていました。今度マルハナバチを見かけたら、「頑張れよ。」と応援してみるのはいかがですか。