前の記事で、色がどうして私たちの感情や身体的な事柄にまで影響を及ぼすのかについて書きました。
色つまり光は電磁波であり、その1部分が肉眼で捉えられ、それを私たちは【色】と呼んでいるのだということを説明しました。
様々な電磁波が私たちに影響を及ぼすように、同じ電磁波である色も私たちに影響及ぼします。
今回は色の心理的な効果について、特に時間の感じ方が変わるという点について取り上げてみたいと思います。
時間の感じ方が変わってくる色彩を、様々なシーンでどのように効果的に使うことができるのかを紹介いたします。
色で時間が変わる?
色によって時間が変わるってどういうこと?!って思われるかもしれません。
もちろん時間は何も変わっていません。1時間なら1時間、同じ時を刻みます。
じゃぁ何が変わってるの?
それはつまり私たちがその1時間をどう感じるかが変わってくるのです。
よく相対性理論の説明で、
かわいい女の子と喋っていると1時間が5分ぐらいに感じられるが、熱いストーブの前で我慢していると1時間が2時間にも3時間にも感じられると言われています。
同じことが色にも言えるわけですね。
時間に関して私たちの感じ方が変わるわけです。
私たち人間の感覚って、意外とあてにならない事ってたくさんありますからね。
『錯覚』とかはその代表的な例です。見えないはずのものが見えたりとか、長いものが短く見えたり。
他にも何にも変わっていないのに、私たちの脳が勝手に判断して熱い、冷たい、長い、短いと思い込んでしまう事はたくさんあるわけです。
なので時間の感じ方が変わるなんていう事は、全然不思議な事では無いのです。
暖色系は長く感じる
さあ、いよいよ本題です。
暖色系の色は私たちの心理に影響を及ぼし、時間を長く感じさせる働きがあります。
ですから部屋の配色が赤色や橙色に囲まれた環境では、時間を長く感じるのです。
これを応用しているのが飲食店です。
注文してご飯を食べてから店を出るまで数十分しか経っていないのに、もっと長くいたように感じられるようお店の配色は暖色系が多いのです。
全国的なチェーン店やファミリーレストランなどでは、暖色系を用いることによってお客さんが「長くいられた!」と感じるようになり、満足感を持って帰ることが出来るよう作られている所が多いです。
ですから、仕事などで疲れてやっと家に帰ってきた時に部屋のカラーが暖色系に近ければ、ゆっくりと時間を過ごしている感覚を得ることができるわけです。
照明を暖色系の色味に変えることも有効でしょう。
ある面白い実験があります。
時計を置かず、赤色の部屋で営業マンに会議をさせたそうです。
すると、その会議時間について誰もが実際にかかった時間の倍の時間を答えたそうです。
ですから自分にとって嫌な時間を過ごさなければならない時、例えば仕事とか。そういう空間には暖色系を用いないほうがよいのです。
そうしないと、ちょっとしか働いていないのに、なんとなく長時間働かされたような感覚を勝手に覚えてしまうわけです。
逆に長く感じられる方が良い、と言う時には暖色系を用いたほうがよいでしょう。
結婚式で深紅の敷物を用いる事は、時間を長く感じさせる効果があるようです。
他にも友人や恋人と過ごす時には、暖色系の空間があるところをお勧めします。同じ時間でも長く感じられるからです。
寒色系は短く感じる
逆に寒色系である青色や青緑などは、実際の時間よりも短く感じさせる効果があります。
分かりやすく言うと、1時間経ったかなと思っていたら実は2時間も経過していたと言う具合です。
時間の感じ方が短くなるわけですから、寒色系の色を用いる場合にはあまりそこにいたくはないと言う空間に用いることができます。
例えば仕事場や工場などです。
仕事が早く終わらないかなぁ…と私たちは感じるものですが、こうした空間が寒色系に統一されていれば時間を早く感じることができるでしょう。
ですから単調な作業やルーティーン等、決まりきった日課をこなさなければならない場合も、寒色系を用いることが最適です。
もちろん仕事が長く感じるのは色だけが作用するわけではありませんが(笑)
しかし、色を活用する事でストレスを軽減できるのですから積極的に活用いたしましょう。
●まとめ●
今回は色が私たちの時間に対する感覚を変える事について書きました。
暖色系の赤や橙色などは時間を長く感じさせますので、楽しい時間に暖色系の空間は最高です!
一方、仕事など早く終わってほしいなあーって時には寒色系の青や青緑なんかを増やすといいでしょう。
さて色には他にもまだまだいろんな効果がありますので、随時アップしていきます。お楽しみに!