茨城県鉾田市の海岸に150頭のイルカが打ち上げられました。こんなに多くのイルカ打ち上げの原因は何か?「地震の前兆か」との声が上がっていますが果たして?クジラ座礁・イルカ打ち上げと巨大地震は関係があるのでしょうか。
イルカ打ち上げの原因は?
今回のように多数のイルカが打ち上げられることはあまりありませんが、イルカやクジラが打ち上げられることはそう珍しい事ではありません。
イルカはなぜ打ち上げられるのか?
その理由と思われるものがいくつかあります。とくに有名なのはこの3つ。
- エサを追って浅瀬に打ち上げられた
- シャチなどの外敵から逃げているうちに浅瀬に迷い込んだ
- 耳の寄生虫などにより、聴覚障害を起こし、超音波探知が出来なくなって座礁した
これらは仮設の一つですが、研究者によるとこういったことが原因で打ち上げられたイルカも多いそうです。
例えば、2000年3月にバハマ諸島で座礁したクジラの個体を調べてみると、耳の出血と呼吸、発声組織の損傷が見られたそうです。これと同じことがイルカにも起こり何らかの耳の原因で方向感覚を失ったのでは?と考えられます。
とはいえ今回のように1度に150頭ものイルカが打ち上げられるのは明らかに異常事態です。そこで考えられているのは、
- 地震の振動や台風などの潮流に流された
という原因。
ただし、これはあくまで仮説であり、科学的根拠はありません。これまで誰一人としてイルカ打ち上げと地震の関係を証明できた人はいないのです。
イルカ打ち上げと地震の関係を唱える研究者の中には、「地震が出す電磁波や高周波または低周波がイルカの聴覚を狂わせる」という人もいますが、これもはっきりと裏付けられている訳ではありません。
ではイルカ打ち上げと地震は何の関係もないのかと言うとそうも言えないようです。
過去の地震とイルカ・クジラ座礁の関係は?
実際に過去のイルカ・クジラ座礁と地震の関係を探ってみましょう。
過去のデータをご覧ください。
1995年1月15日 神戸でイルカ87頭座礁 同年1月17日 阪神淡路大震災
2011年02月21日ニュージーランドでクジラの群れ座礁、107頭死亡 同年2月22日ニュージーランドでM6.3の地震
2011年3月8日 三陸で計348頭のクジラ座礁 同年3月11日 東日本大震災
と、大地震の数日前にイルカやクジラが座礁した記録が残っています。
この事実を見ると、イルカ座礁と地震に何らかの関係があるのではと考える人が多いのもうなずけます。
特に東日本大震災前の記憶が強く残っている人たちは、今回のイルカ座礁のニュースを地震の前兆と捉えているようです。
また、茨城沖はフィリピン海プレートがあり、海底で何らかの異変が起こっていたとしても不思議ではありません。また東日本大震災の時には、茨城沖のプレートで地震のエネルギーが抑えられたとみる研究者も多く、大きなエネルギーが放出されずに、蓄えられていることも考えられます。
では本当にイルカ・クジラ座礁は地震の前兆なのでしょうか。
現時点では何とも言えません。
ここで私たちが知っておかなければならないのは、イルカやクジラ打ち上げのもうひとうの原因です。それは、
- 潜水艦のソナー
潜水艦の発するソナー音は海で暮らすイルカやクジラにとって致命傷を与えるほど強烈です。近年、イルカやクジラの打ち上げに潜水艦のソナーが原因だとする見方が広がっています。
これはアメリカ海軍も公式に認めていることで、今後のソナー実験は可能な限りクジラを被害を受けることから守らなければならないと発表しています。
また不確定ですが、ニュージーランドの地震の数日前には、ニュージーランドの沖合いで複数の潜水艦が何らかの任務にあたっていたという情報もあります。
茨城沖に潜水艦がいたのか?
あくまで仮定ですが、茨城沖に複数の潜水艦が行動していて、そのソナーが原因だとすれば、イルカ大量打ち上げの一つの原因とも考えられれます。
「誰が?何のために?どうして?」かは分かりませんが、これも一つの仮定だと言えるでしょう。
で、結局どうなの?
お気づきのように、誰も正しいことを言える人はいません。
もし数日後に大地震が起きたとすれば、イルカ打ち上げと地震の関係性はさらに強く述べられるようになるでしょう。
私たちにできるのは、とにかく地震が来ないことを願い、万が一大地震が来た時の為に備える事です。
イルカやクジラ座礁は自然からの警告だと受け止めて、今一度身の回りの避難用具のチェックをしてみるのはいかがでしょうか。