サーチュイン遺伝子は、最近よく耳にするようになった遺伝子のことで、美容にはもちろん老化を食い止める事でも有名になっています。
このサーチュイン遺伝子とは一体どのようなものなのでしょうか?
サーチュイン遺伝子の働きとは何か?
空腹時にサーチュイン遺伝子が活性化するのは本当か?などなど、お伝えします。
サーチュイン遺伝子とは
サーチュイン遺伝子とは、サーチュインという酵素を活性化させる遺伝子の事です。
このサーチュインという酵素の働きによって、老化の原因と言われている活性酸素や、免疫細胞の異常を抑制し、生物の寿命を伸ばす事で知られています。
もう少し詳しく言いますと、サーチュインとは“タンパク質の一種”であり、DNAの結合に作用して遺伝的な部分で調節を行う事から寿命を伸ばします。
細胞を若々しく保つ
このサーチュイン遺伝子の作用は、1999年にマサチューセッツ工科大のレオナルド・ガレンテのグループが発見しました。
簡単に言うと細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアが増えて、古くなったミトコンドリアと取って代わるオートファジー(自食作用)が働くのです。
エネルギーを作り出すところが、古いものに取って代わって新品になる訳ですから、良いに決まってます。
現在ではサーチュイン活性化によって、アルツハイマー病などの神経変性疾患、動脈硬化、心不全、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、2型糖尿病、肥満、筋肉減少症、廃用性萎縮症などに効果があると言われています。
国立遺伝学研究所の小林武彦教授らの研究グループは、サーチュイン遺伝子がリボソームRNA遺伝子の数を一定に保つ事(リボソームRNA遺伝子のコピー数の安定)によって長生きにつながっている事を突き止めました。
サーチュイン遺伝子の働き
食事の量を約25%減らすことによって活性化されるサーチュイン遺伝子は、様々な生物ですでに健康寿命を伸ばす事が分かっています。
シミやシワ、癌などの原因となる活性酸素の除去や、脂肪燃焼、動脈硬化、糖尿病、認知症などなど、人間の健康に資する100もの項目で改善が見られるという、まさに夢のような遺伝子です。
さらには全身の細胞を修復したり、免疫機能を高めるため病原菌に対しても強くなります。
また脳内の神経回路などにも働きかけ、アルツハイマーなどの神経変性疾患を防ぐだけではなく、記憶力の向上などにも良いとされています。
サーチュイン遺伝子を活性化させるには
腹6〜7分目にする
サーチュイン遺伝子を活性化させる方法はとても簡単で、食事の量を30%ほどカットするだけです。
30%もカットすると当然空腹になってしまいますが、この空服感がとても大切なのです。
空腹というのは飢餓状態に近いという事もできますが、これは生物に取ってはスイッチが入る状態になるという事です。
生物は生命を維持するためにはエネルギーを必要としますが、そのエネルギーが足りなくなってくると空腹という形で我々に意識させようとします。
エネルギーが少なくなると細胞を守るため細胞の修復機能が高まるのです。
腹6分目から7分目の時が一番サーチュイン遺伝子が活性化されます。
間食しない
サーチュイン遺伝子を活性化させるのが目的であれば、空腹時というのはとても大切な時間となりますので、間食や夜食はやめたほうがいいでしょう。
間食によって血糖値が上がるとせっかくの空腹感が緩和されてしまい、サーチュイン遺伝子の働きがストップしてしまいます。
しっかりとお腹が鳴るくらい空腹感を感じましょう。
●まとめ●
サーチュイン遺伝子、いかがでしたか?
生物にとって夢のような働きをしてくれる機能が、我々の体の中にも備わっているんですね。
しかも無料で!
これを活用しない手はありません。
様々な生き物で観察した結果、サーチュイン遺伝子を活性化させた方が長生きするということが分かっています。
現代の食生活はとにかく荒れやすい。
暴飲暴食は確実に命を削ります。
腹一杯食べるのは特別な時だけにして、普段は腹6〜7分目にする事が最も安い健康法ですよ!